曲紹介ばいおん リグ・ヴェーダ 天地創造への賛歌

सभी को नमस्कार‼

11月も下旬、演奏会がじわじわ迫ってきています。
そんなハトコン3の曲紹介ばいおんも終盤戦!本日紹介するのは…

リグ・ヴェーダ

天地創造への賛歌

(清水大輔)

最近の静大では珍しい、邦人作曲家のピックアップです👀(今年のコンクールまでお世話になりまくったお方を除いて、、)
静大で清水大輔さんの曲を演奏するのはではないでしょうか…!(簡易調べ)

我々と同じ静岡県の浜松を拠点に活動している、浜松交響吹奏楽団の創立45周年を記念して2019年に委嘱された曲となっています!

では曲の紹介へ、、、の前に!!!!!

リグ・ヴェーダ(Rigveda)(梨倶吠陀)(ऋग्वेद)てなに!?と思った95%の方々へ

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時をさかのぼること3300年…(戻りすぎ)

紀元前12世紀の古代インドでヴェーダ聖典群の4つのうちの1つとして編纂された書物、それがリグ・ヴェーダです。
リグ』は讃歌、『ヴェーダ』は知識を意味し、1028篇の讃歌が全10巻にわたってサンスクリットの古形にあたるヴェーダ語で記されています。

今回の曲ではその中から「Creation-宇宙開闢(かいびゃく)の歌-」をテーマにしたものになっています。この歌はリグ・ヴェーダのなかでも哲学思想の最高峰を示すものといわれておりまして、それがまた想像の100倍くらい深い内容なんですね…(一周回って浅い内容かもしれん)

せっかく文字数制限がないばいおんなので、全部乗せちゃいます(^_-)-☆
興味ない人は頑張ってスクロールしてください🙏

訳し方は諸説あります。(3000年前のよくわからん言語だから当たり前)

一 世界が生じる前
時空も存在せず
如何なる物質も無かりき
遥か昔、何かが発動し、時空が生じぬ

二 太初の世界
消滅と発生を繰り返しぬ
光は届かず、しかして闇との区分も無し
物質を構成する源は、他力によらず自ら動く

三 世界に相互関連の輪が取り巻きぬ
非対称が生まれ、上下の区別生ず
能動的力ありき、受動的力、またありき
物質は分化を繰り返す

四 人の目に見えぬものが世界に満つ
その一切は標識なき波なりき
空虚の中より発現しつつあるもの有り
物体は熱の力により出生せり

五 原初の生命の生ぜしとき
原始の意識が現れり
意識は思考の主たる源となりき
神秘を感ぜし者は、有の起源を無に発見せり

六 誰か正しく知る者ぞ、誰かここに宣言しうる者ぞ
現象の創造はいずこより生じ、いずこより来たれる
如何なる神も創造されたるは、世界の創造より後なり
しからば、誰が創造のいずこより起こりしかを知る者ぞ

七 この創造はいずこより起こりしや、そは誰によりて実行せられたりや
あるいはまたしからざりしや
世界の外にありて世界を監視する者のみ実にこれを知る
あるいは彼もまた知らず

えー、全部読んでいただいた方、ありがとうございます🥰

地球が誕生する前、いやいや宇宙が誕生する前(?)、なぜ生命、物質がこの世に存在するのか。とにかくめちゃめちゃ壮大なスケールで書かれています…(僕は哲学とかは一切分からないのでうっすーい感想しか出てきません)

この文章を断片的に、変則的に使い作曲されたのが今回演奏する曲なわけです…

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それではそろそろ曲の内容(というより天地創造旅行)の紹介へ!!!
(※半分くらい筆者の想像です)

序奏はまさに宇宙の誕生
PianoとVibの奏でる幻想的な音色の中に、丸石(今回は浜松にある天竜川産!)をこすり合わせて宇宙に漂う塵を再現(曲でを使います。です。見逃さないようにしてくださいね)。時間の概念を無視するかのような通奏低音に、金管楽器の金属質な音、クラリネットが6連符、3連符、2拍3連等を駆使してカオスを作り出すなど、徐々に様々なものが発生していきます。そんな流れの中で、Euph,Ob,Flから何かが誕生していくような様子が順番に描かれます。この動機は7連符から始まっていて、先ほど紹介した7つに分かれている歌がモチーフになっているのかも??(予想)

ここでの注目はWaterphoneという打楽器!ホラー映画の効果音を奏でる楽器「ウォーターフォーン」の音
中に水を入れて弦楽器の弓を使って奏でます🎻
とっても不思議な音がするんですよ…!

 

 

 

穏やかな4拍子が流れていくなかで突然の16分の3拍子で衝突が発生。ここからCon Energiaに突入、宇宙の進化が描かれていきます。物質の発生と分化、そして消滅。光、熱、起こりうる宇宙のさまざまな情景が舞台上のいたる場所から聞こえてきます。(宇宙を表現するってなにやってもそれっぽく思えちゃう)
金管楽器による雄大なテーマ(これめちゃめちゃかっこいい)の先にでてくるのは、トランペットによる煌びやかなファンファーレ。これをきっかけに宇宙は次のステップへ、美しく優雅な音楽に変わっていきます。そんな中でも変拍子や連符を駆使して一定ではない時間と空間の流れが再現されます。

さぁ曲は中盤戦(語りすぎ)
ここで曲のフィナーレにつながる主題が初めて登場します。
この旋律のテーマは『』と『』。人間として普遍的なテーマをも包含しています。(プログラムノートより)
温かく心地良い、でもどこか物寂しい。そんな旋律から感動的なクライマックスへ…!
と簡単にいくわけにもいかず、、、金管楽器の不穏で不規則な不協和音の連続がその流れを阻害。曲は再度、いやさらにもう1ランクスケールアップした混沌へと突入してしまいます。ブラックホールのような荒々しい音楽は徐々にエネルギーを増幅していき、これでもかってくらいにMaxになったところで急激な消滅(新しい惑星の誕生??)。その背後から木管楽器とXyloの奏でる浮遊感のある不思議な3連符の旋律が登場します(結構クセ強め)。
ここから曲想は明るく展開。♩=120のFeroceで勇ましく荘厳なメロディーが奏でられます。根強く成長する草木、大小に波打つ海。我々が生まれ、そして育つ「地球」の誕生とその雄大さが再現されています。

長かった宇宙誕生からの旅路もお別れの時が近づいてきました。
主題がPiccoloのソロで再登場。先ほどとは打って変わって、とても感傷的な雰囲気で音楽が進んでいきます。(ここらへんで涙がそっと流れる予定💧)

 

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せっかくなので、ここで主題のコード進行をちょっぴり解説♪
ここでは「ラインクリシェ」という進行が使われています!
クリシェとは、コードのある音だけを半音or1音づつ動かしていく技法です。
今回はトニックコードであるA♭の5音に当たるE♭が半音づつ上がっていきます…!
そして音楽ではおなじみ、ドミナントモーション(5度下のトニックコードに向かう性質)を用いることで積み上げてきた不安定なコードを落ち着かせている仕組みになっています!(4小節かけた分、解放感がすごい!)
これによってより情感的、哀愁的なフレーズに変化するんですね👀


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さぁ物語の最終盤、Espressivoに突入します。テーマである『愛』と『絆』。コロナ禍を過ごし、「尽きせぬ想ひ」を抱き続けた静岡大学吹奏楽団だからこそ奏でられる、アツいアツい音楽で会場を包み込むことを約束します🔥🔥
そしてその熱を保ったままエンディングへ!
♩=138でテーマの旋律がより明快に、力強く表現された後にTpファンファーレの拡張再現が登場。最後は目いっぱいの宇宙よりもはるかに壮大なA♭Majorで締めくくられます。

 

語りすぎました…
みんな最後まで読んでくれたかなぁ…(団員向け)
でもこの曲はこんな文章じゃ語りつくせない、聴けば聴くほど好きになるとても素晴らしいものだと思っています。筆者は全日本吹奏楽コンクールでの浜響吹さんの演奏で一目惚れしました。
演奏会のサブタイトルにもなっている「The Firebird」なんかよりもこっちをメインにしたいくらい😂

これを読んで少しでも興味を持ったそこのあなた!チケットは申し込み済みですか?
曲紹介ばいおんお決まりのポスターの画像は貼りません! ←でもクリックすると…
真冬でも熱々になれる演奏会があなたを待っています。ぜひお越しください😘

 

書いた人:企画係じゃないけど書いてみたかった浜松トレーナー