【曲紹介ばいおん】歌劇「トゥーランドット」より。
Bonjour(ボンジュール)! 企画係です。
サマコンの曲紹介も今回がラスト。最後に紹介するのは本演奏会のメイン、「歌劇『トゥーランドット』より」です!
このオペラはイタリア🇮🇹の作曲家、プッチーニの作品で、数々の名作オペラを書いた彼の代表作の一つともされています。
元々はある戯曲を基に書かれた作品なのですが、その戯曲から多くの作曲家によって様々な音楽作品が作られてきました(オペラだけで10作以上あるそうです) 。しかしその中でもこのプッチーニのオペラが一番有名なものとして残り、今では「トゥーランドット」といえば、このプッチーニのオペラを指すほど一般的なものとなりました。
この編曲では30近くある劇中の歌から7曲を抜粋したものになっており、トゥーランドットの世界観が11分ほどにギュッと凝縮されています。
以下物語の簡単なあらすじと、登場曲の紹介です。丸数字は登場曲の対応する場面になります。
舞台は古代の中国、絶世の美女トゥーランドット姫は、婚約を申し込んできた人達に3つの問いを出し、答えられなかった彼らを、ことごとく処刑してきた。
処刑を見物する群衆の中にいたのは、戦に敗れ、国を追われた遠境の王子。彼は人混みの中で父王と、かつて自分に支えていた女奴隷リューに再会する。 ①
処刑人たちがやってくる。② そして執行の合図のように姿を現したトゥーランドット。彼女に一目惚れした王子は父やリューの制止も振り切り、謎かけに挑む。気高く決意を宣言するトゥーランドット。 ④ そんな彼女が出す3つの問いに、王子は見事正解する。 ⑤
それでも結婚を渋るトゥーランドットに、王子は告げる。「私からは問いを1つだけ。私の名前を夜明けまでに当てれば、私は夜明けと共に死にましょう」
かくして北京中に御触れが出される「かの者の名が分かるまで誰も寝てはならぬ」 勝利を確信した王子は高らかに歌う ③ が、名前を知っているとして父王とリューが捉えられる。脅され、痛めつけられても彼女は王子の名を明かさず、彼への秘めた想いと共に自害する。
悲しむ王子と動揺するトゥーランドット。氷のような心が徐々に溶かされていくトゥーランドットに、王子は「カラフ」という自身の名を明かす。やがて夜が明け―― ⑥⑦
①序奏〜「北京の民よ」…オペラ同様、いきなり斉奏の重厚なインパクトは、一音目から度肝を抜かれること間違いなし!その後ユーフォニアムによる役人の処刑宣告が終わると共に群衆の興奮が一気に高まります。その後の木管のメロディは王子が2人と再開するシーン。彼らの境遇もあり、どこか美しくも悲痛さを感じる曲調です。
②「砥石を回せ」…「砥石を回せ!刃を研げ!首切り役人に暇はない!」こんな物騒な歌詞を中国らしい服装や大道具と共に、群衆が歌い踊る一幕。熱狂的な明るさと切迫感が入り混じる曲です。吹奏楽では踊りながら吹いたりは出来ないので、その分臨場感たっぷりで演奏します!
③「誰も寝てはならぬ」…恐らく作中で最も有名な一曲です。胸を打つ美しいメロディは、トゥーランドットをよく知らない人でも「ああ、この曲か!」となる人もいるのではないでしょうか。劇中ではかなり後ろの方の曲なのですが、この編曲では7曲のど真ん中で君臨します。
④「私の勝利が」…3つ目の問いの答えが分かり、王子が勝利の確信と共に答えるシーン。そしてそれを告げられたトゥーランドットの絶望が表現されます。前の曲から一気に緊迫感が増すのでビックリ注意です。
⑤「世界のすみずみから」…再びしっとりとした曲。先祖の悲しい歴史を胸に、「私は誰のものにもならない」という思いを歌います。暖かなメロディと徐々に深みを増していく伴奏が特徴的です。
⑥「我らが皇帝陛下万歳」…夜が開け、トゥーランドットの答えを聞くため、彼女の父である交代が民衆の前に姿を表す場面。木管の伸びやかな旋律に、途中から金管も加わり重厚を増して奏でられます。皇帝の偉大さを表すかのような、荘厳なサウンドが特徴です。
⑦フィナーレ…
「父上、かの者の名がわかりました。その名は―『愛』です」
「愛だ!」と湧き立つ民衆。人々は太陽と愛の光の下で、栄光があらんことを歌う。
直前までの厳かな雰囲気から一転、フルートによるトゥーランドットの繊細な歌声。それに応えるように響く木管のハーモニーが、「その名は―『愛』」と告げた瞬間の空気の変化を感じさせてくれます。徐々に盛り上がるサウンドは、バンド全体でフィナーレへと突入し、歌われるのは「誰も寝てはならぬ」で出てきたあのテーマ。荘厳に、絢爛に、歓喜が表現されます。
と、こんな感じになっています。長くなりましたが、お付き合いいただきありがとうございました。聞きやすくも奥深い、そんなプッチーニの名作の魅力に満ちた大曲を、皆さんを感動の渦に巻き込めるよう、大迫力のサウンドでお届けします!もちろん、”誰も寝てはならぬ”、ですよ!
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書いた人:ぴょん