【曲紹介ばいおん】エルサレム讃歌

こんにちはー!企画係です。

いよいよ今週末は待ちに待った定期演奏会!その曲紹介ばいおん、最後に紹介するのはの「エルサレム讃歌」です。

エルサレム、といえば様々な宗教の聖地として有名なイスラエルの町。この曲はその中でも、キリスト教に深く関わっています。

「エルサレム讃歌」という曲名は邦訳であり、原題は”PRAISE JERUSALEM!“という曲名なのですが、さらに「Variations on an Armenian Easter Hymn(アルメニアの復活祭の讃美歌による変奏曲)」という副題がついています。

復活祭(Easter)というのはキリスト教で最も重要とされる祭日で、磔刑に処されたイエス・キリストが復活した奇跡を祝う祭日のことです。有名な飾りの「イースターエッグ」などは、聞いたことがある方もいるのではないでしょうか?

そして東欧のアルメニアで復活祭に歌われる讃美歌「Kovia Yeroosaghem(英語にすると”PRAISE JERUSALEM”」のメロディをテーマに用いた曲が、このエルサレム讃歌です。

ちなみに主の復活を讃えるこの讃美歌のメロディは7世紀、つまり1300年前に作曲されており、非常に歴史のある歌となっています。(この歌、現代でも歌い継がれており、Y◯uTubeなどで検索すると聞けます。興味のある方はぜひ!)

作曲者は以前紹介した「ロシアのクリスマス音楽」と同じ、アルフレッド・リード氏。「元ネタが東欧のキリスト教の祝祭」という共通点がありますね(こじつけ)

(あとこれは筆者の主観なのですが、共通点といえば同じリード氏の作品で、アルメニアの歌がモチーフの「アルメニアン・ダンス」。この曲中に、かの曲のフレーズを彷彿とさせる箇所がいくつかあるような気がするのです。共感してくれるひといないかなー…)

さて曲の内容ですが、大きく分けて序奏、提示部、5つの変奏、フィナーレの8パートに分かれています。変奏曲という副題の通り、讃美歌のメロディがテーマとして様々な形で演奏されるのですが、その曲調がとても豊富なのがこの曲の(筆者的)推しポイント

・序奏…最初から衝撃!金管のテーマとファンファーレ、続く静かな木管との対比がこれまた鮮やか。

・提示部…木管のしっとりとした音によるテーマの提示。

・第一変奏…軽やかなテンポ感が特徴。細やかに刻まれるリズムの中でテーマが軽快に歌われます。

・第二変奏…再びゆったりしっとりとした曲調。温かみのあるメロディ。ハープにもご注目。

・第三変奏…勇ましい行進曲風の変奏。力強いサウンドが一体となって進んでいきます。

・第四変奏…フルートとクラリネットのソロの掛け合い。伴奏の美しいハーモニーも聴き逃せない!

・第五変奏…追走曲のように複数の旋律が絡み合う変奏。目まぐるしく移り変わる旋律は、やがて一体となってフィナーレまで駆け抜けます。

・フィナーレ…大迫力! 以上。

と、こんな感じの8つのパートが次々と演奏される曲になっています。スコアには「1300年前のメロディーに内在する音楽的な可能性を、現代の吹奏楽を最大に活用し探求した」と記されており、「吹奏楽の父」とも称されるリード氏の音楽性の広さを感じることができます。

讃美歌特有の神聖さ、荘厳さを感じられつつも、それぞれ特徴的な変奏の数々。筆者は特に第三変奏の部分が好きなのですが、皆さんにも是非「この部分が特に好きだな」というパートを探していただければと思います。もちろん、どのパートも全力の静大サウンドで演奏します!

 

当代の集大成、そして(筆者含む)4年生にとっては最後となる演奏会、団員一同、皆様のご来場をお待ちしてます。

今週末は磐田へGO!

かいたひと:ラストばいおん、ぴょん