【定期演奏会曲紹介ばいおん】ローマの祭り

こんにちは、企画係です♪

いよいよ目前に迫る第55回定期演奏会、本日紹介するのはそのメインを飾る曲、オットリーノ・レスピーギ作曲「ローマの祭り」です

イタリアを代表する作曲家レスピーギですが、「彼の作品といえば?」でまず名が挙がると言ってもいいほど有名なのが、交響詩の通称『ローマ三部作』。この曲は「ローマの噴水」「ローマの松」に続くその3作目として、1928年に作曲されました。

この『ローマ三部作』はそれぞれのモチーフを通して見えるローマを描いており、「ローマの祭り」ではその名の通り4つの祭りから往年のローマの情景を描いています。

楽章としては分けられてはいないものの、曲も4つに分けられており、それぞれの副題に祭りの名がはいります。祭りはそれぞれ時代が違い、過去のものから現代へ、時を追うような順番になっています。(後ろ3つは現代でも祝祭として残っています!)

そして楽章が分かれてないと言うことは、曲的にも切れ目がないということ!静かに終わった……の次の瞬間唐突に明るく始まった時のインパクトがすごい!

以下、曲とモチーフのお祭りをご紹介!

Ⅰ.Circenses (チルチェンセス)

古代ローマの政策で有名な「パンとサーカス(見せ物)」の「サーカス」の方。とは言ってもこのサーカスは現代のような楽しい曲芸ショーではなく、スポーツや剣闘士試合、猛獣対決(やその名を借りた弾圧)など、割と酷いものも含まれます。そして今回はその酷い方です。

時は古代ローマ、ネロ帝の時代。ローマ市民が押し寄せた劇場で開かれるのは、 キリスト教徒vs猛獣 の試合。曲は市民の喧騒の中で鳴り響くトランペットのファンファーレから始まります。それが静まると聞こえてくるのが低音による猛獣の足音と木管による教徒の祈り。両者は繰り返され、一体となり、目の前で繰り広げられる凄惨な光景を表すように勢いと緊迫感を高めていきます。

Ⅱ. Il Giubileo (五十年祭)

時は中世盛期の13世紀。キリスト教カトリックでは聖年というものがあり「この年にローマに巡礼すれば特に罪が赦される」とされています。当時は約50年おきだったため、日本語では五十年祭と訳されます。(ちなみに次回は2025年だそうです)

曲はⅠで散った教徒たちを偲ぶように始まります。教徒たちの歩みのように繰り返される木管のモチーフはローマに近づくにつれ徐々に明るいものに。そしてローマを見渡す丘の上にたどり着くと、高らかに聖歌が歌われます。

続くホルンのファンファーレと後に響く鐘の音が、明るく幕を引きます。

Ⅲ.L’Ottobrata (十月祭)

中世末期のルネサンス、ローマ近郊のカステッリ・ロマーニという地域で催される葡萄の収穫祭です。当時から葡萄、そしてワインの産地として栄え、現在では祭りの日になると町の噴水からワインが出るそうです。

曲はⅡの静かな幕引きから一転、ホルンの楽しげなメロディが軽快に鳴り響きます。トランペットのファンファーレの後に広がるのは、木管による軽やかなメロディ。軽快なテンポの中で、クラリネットが伸びやかに歌います。続くゆったりとしたセレナーデも木管が主体。時折り聞こえるホルンも交えながら、幾つものメロディが甘く絡み合い、やがて静かに終わります。実り豊かな秋の夕暮れ、そんなロマンチックな光景が浮かぶことでしょう。

Ⅳ. La Befana (主顕祭)

主イエスの元に異邦の賢者が礼拝に来た日を記念した、年始の祝祭です。時は20世紀のナヴォーナ広場。現在でも観光地として名高いここでは年末から年始にかけて、屋台や飾り付けによって色取り取りな光景に変わり、多くの人で賑わいを見せます。また、子供にとっては「イタリア風クリスマス」と言うべきイベントでもあるそうです。

曲はクラリネットによる人々の喧騒から唐突に始まると、それはすぐに勢いを増していき、様々な光景が入り乱れる祭りが始まります。楽しげなメロディ優雅な舞踏曲……と思いきや割って入る酔っ払いトランペット&トロンボーン。カラフルな街並みのように、さまざまな曲調へと変化していきます。やがてサルタレロと呼ばれるハイテンポな舞踏曲に入ると、更に終盤その勢いはどんどん高まっていきます。興奮そのままに 団・円!の終幕です。

 

さまざまなローマの情景が味わえるこの曲。聞き終わる頃にはローマに行ったような気になるかも……?

日時:12月18日(日) 場所:焼津文化会館 大ホール

開演15:00(開場14:15)

入場料:大学生・一般500円(前売り) 800円(当日)

高校生以下無料

チケットはこちら→ https://teket.jp/1817/16839

まだ前売りチケット間に合います‼︎

今週末は是非、焼津市民文化会館でお会いしましょう。皆様のご来場をお待ちしております!

 

書いた人:祭り好きな ぴょん