【曲紹介ばいおん】歌劇「運命の力」序曲

こんにちはこんばんは!企画係です。

 定期演奏会の曲紹介ばいおん、2曲目はジュゼッペ・ヴェルディの「歌劇『運命の力』序曲」です!

こちらが作曲者のヴェルディ氏。「ナブッコ」「アイーダ」など約30作のオペラ作品の他、歌曲、器楽曲などを広く手がけています。イタリアのオペラ界に大きな変革をもたらし、「オペラ王」と称されるほどの大作家で、紙幣の肖像画にもなったそうです(!!)

さて、歌劇「運命の力」についてですが、こちらは1862年に初演され、さらに1869年に改訂版が上演されました。現在ではこの改訂版の方が有名なのですが、今回演奏する序曲も、この改訂版より追加された曲になります。

歌劇の主な登場人物はインカ王族の血を引くアルヴァーロ、侯爵の娘レオノーラとその兄カルロの3人です。レオノーラはアルヴァーロと互いに愛し合っていましたが、血統の問題から彼女の父に結婚を反対されていました。しかしアルヴァーロが不慮の事故によりその父を殺してしまったことにより事態は一変。逃亡の最中に2人は生き別れ、カルロは父の仇として2人を追い、三者がそれぞれ「運命の力」とでもいうべき偶然の積み重ねに翻弄されていき、最終的には悲劇的な結末を迎える、という作品です。

この曲は「序曲」という題の通り、歌劇の冒頭に演奏される曲になります。その曲中には劇中に登場する様々な歌の旋律やテーマが使用されています。悲劇的な物語を描写するように悲しげであったり緊張感が漂う曲調が続きますが、終盤では一転して明るく軽快なメロディに切り替わると、最後は華やかなサウンドで駆け抜けるように締め括られます。

物語のあらすじと違い、明るい結末を迎える序曲ですが、歌劇ならではの艶やかな旋律、ドラマティックな曲調や構成は、この作品の音楽的な魅力を凝縮したような一曲といえるのではないでしょうか。

「オペラ王」ヴェルディの奥深い音楽性を、皆様にお届けいたします。

第56回定期演奏会 特設ページ

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かいたひと:ぴょん