【東部公演曲紹介ばいおん】ミス・サイゴン

みなさん、こんにちはこんばんは!

東部公演2022の曲紹介ばいおんも今回で最後、今日ご紹介するのは「ミス・サイゴン」です。

元はC.M.シェーンベルクのミュージカル作品です。昨年度当団でも演奏した「レ・ミゼラブル」と同じですね。あちらと並んで彼の代表作品の一つです。プッチーニの「蝶々夫人」というオペラを元に、舞台をベトナムに変えて作られた作品になります。

 

ベトナム戦争の終戦間際、サイゴン(今のホーチミン)でアメリカ兵のクリスと出会い、愛を誓った娼婦キムの物語です。クリスは終戦でアメリカに帰(らされ)るし、彼女の許嫁だった婚約者は激おこだし、それでもクリスが迎えに来てくれるのを信じて、彼との子供タムを守り育てながら3年間も待ち続ける、というのが第一幕のおはなし。そして第二幕で、彼女たちの再会とその後が描かれます。

キムに同情して見ると、クリスの帰国(しかも帰国後別の女性と結婚していた!)、アメリカンドリームのためにキムとタムも利用して立ち回ろうとするキムの元オーナー、そして前述の婚約者など、不幸要素が盛り沢山ですが、それでもはっきりとした悪人はいないと思います。ただ誰もが戦争とか環境とか、「流れ」っていうモノに翻弄されながら、自分の、あるいは大事な我が子の幸せのために生きる物語なのかな、と。最終的には悲劇的結末を迎えますが、考えさせられるストーリーだと思います。

(以上、出来るだけネタバレを避けつつ筆者の主観マシマシのあらすじ紹介でした)

 

そして曲の方ですが、最初に一つお知らせしますと……

今回、宍倉晃編曲のものとヨハン・デ・メイ編曲のものをミックスした当団オリジナルカットのものになってます。なので

他では聞けないミスサイゴンになってます!

その関係でミュージカルとは曲順が一部前後してたりしますが、逆に原作を知ってる方でも予想を裏切る構成になっているかと思います。

元がミュージカルなだけあって、多様な曲調とドラマチックな展開が心を揺さぶります。ストーリーが重めな事もあり、その部分の曲は身体に響くような重厚さなのですが、それが美しいメロディのパートとの対比となって、両者ともに引き立てられる様に思います。

また、希望を感じさせる叙情的な旋律から緊迫感溢れるシーン、歌があれば切ない掛け合いからいきなり大合唱のフィナーレなるなどの怒涛の急展開の連続は、限られた時間にミスサイゴンの世界が最大限濃縮された、メドレー曲の醍醐味ではないでしょうか。

そして劇中で二人が引き離されるシーンなどで印象的なヘリコプターの音が曲中随所に出現しますが、こちらはSEとパーカッションの組み合わせで表現します。どのような音になるかご注目ください。

そしてこの曲、出演する全団員での演奏となります。そしてこの東部公演が4月に入団した1年生の初舞台。新体制となった静大サウンドの迫力を、是非お楽しみください!

場所:沼津市民文化センター 小ホール

日時:2022年5月29日(日)14:00開演

入場料:(前売)静大生500円・一般800円

(当日)1000円 高校生以下は無料です

皆様のご来場をお待ちしております!

 

書いた人:劇中の「The Fall of Saigon」を歌えるようになりたい、ぴょん